2009年6月 3日 (水)
■ 村上春樹作品における小便シーンの研究4
「1Q84」新潮社 BOOK1 p.65
彼女はホテルに入ると、まっすぐ洗面所に行った。ありがたいことに洗面所には誰もいなかった。まず便座に座って放尿をした。とても長い放尿だった。青豆は目を閉じて何を思うともなく、遠い潮騒に耳を澄ませるように自分の放尿の音を聞いていた。
最新作、1Q84でももちろん小便シーンは健在です。
20代の女性である「青豆」が、たとえ誰もいないとしても水を流さずに(または流水音を鳴らさずに)長々と放尿するものかなぁと思いはしましたが、ここでそんなことを考えるのは無粋というもんでしょうか。
これから始まる物語の大いなる予感をはらんだ潮騒のざわめき。
小便を終えたとき、彼女は運命の場所に向かい、そして世界は変容するのです。
投稿者 yone : 2009年6月 3日 21:32