« フレッシュトマトと水ナスのパスタ | メイン | 東京湾大華火祭 »
2008年8月 9日 (土)
■ 富士登山
会社の先輩に誘われて、人生初の富士登山に挑戦してきました。
この時期の週末の富士山は登山者で非常に込み合うので、有給をとって金曜日の夜から登り始め、頂上でご来光を眺めるという段取りです。
金曜日の15時半に先輩の車で横浜を出発。
都内や横浜市内は結構混雑していましたが、高速に乗ってからは順調で夕方には山中湖に到着しました。
湖畔のファミレスで夕食をとってからコンビニで水や軽食などを購入し、ふじあざみライン入り口に設けられたマイカー規制中の臨時駐車場へ。
車の中でしばらく休憩してから、21時のバスで須走口へ向かいました。
ちなみに、参考までに今回の僕の持ち物はこんな感じ。
- 登山靴(本格的なものではないけど、一応登山用のもの)
- ジョギングシューズ等で登っている人もいますが、ゴツゴツした岩場が多いのと砂などで汚れるので用意した方が良いです。
- リュック(自転車用のものを流用)
- サイズが小さいので、必要な荷物が入りきらなかったです。着替えや防寒具が結構な量になるので本当はソコソコ大きいサイズのものが必要。
- 半袖Tシャツ1枚、長袖Tシャツ1枚
- 汗をかくので、速乾性素材のものをインナーにして重ね着するなどの工夫が必要。普通の綿のTシャツを着たら休憩中に汗が冷えて寒かった……。
- フリース1枚
- ずいぶん昔に買ったもののせいか、着てもあんまり暖かくなかったような……。
- ウィンドブレーカー上下
- ジョギングの時に使っているトレーニング用のものを持って行きましたが、はっきりいってそんなもんじゃ寒くてダメでした。富士登山のためだけに揃えると思うと微妙ではありますが、雨対策のためにもゴアテックス製のものを準備していくと自分が助かります。
- タオル2枚
- 上のほうでは寒くてマフラー代わりにしてました。下山中は砂埃を避けるためのマスク代わりにしたり、下山後は銭湯で体を洗ったりと大活躍。
- 軍手
- 登山道は結構険しいところがあって、手をついて登ったり周囲の木につかまったりします。必須。
- 水1.5リットル
- 担いで行った500mlペット3本で下山まで凌ぎましたが、登山中はトイレに行かずじまいでした。高山病を防ぐには水を多めに取ったほうが良いらしいので、本当はもっと飲んだほうが良かったかも。山小屋で売っている飲み物(自販機も普通にありました)は高いですが、持って行くのも大変なので大人は金で解決するのが良いかと。
- 懐中電灯
- 先輩に借りたLED式のもの。手持ちでしたが、軽くて明るく長時間持つという優れものでした。
- ゴミ袋
- 大小いくつか。ゴミを入れるだけでなく、雨が降ったときに軍手が濡れるのを防いだり色々使えます。今回は雨に降られなかったので助かりましたが。
- 軽食
- 個人的には飴が良かったです。歩きながら舐めていられるし。あと、頂上で食べた魚肉ソーセージもなかなか(笑)
バスは30分強で須走口5合目に到着。
ボランティアの人たちが配っている、ゴミ拾い活動のビニール袋を受け取っていよいよ登山の開始です。
(ちなみに、登山中はゴミを運び上げる気力がなく、下山中はゴミを拾う体力がなく、結局このビニール袋は使いませんでした。。。)
・5合目~6合目
鬱蒼とした木々の中の登山道を懐中電灯で照らしながら、既に富士登山を2回経験している先輩に先導してもらってゆっくりと登ります。
標高は2000mを超えていますが、このへんではまだそれほど息苦しさは感じず普通の登山という感じ。
気温は20度くらいで涼しいですが、体を動かしていると半袖でも汗が出てきます。
ゆっくり登ってはいましたが、当初の予定より早めに6合目の山小屋に着いてしまったので、ここでしばらく休憩。
このあたりまで来ると、山頂から降りてくる風が運ぶ冷気でだいぶ寒くなってきます。
休憩中に汗が冷えて寒くなったので、フリースとウィンドブレーカーを着用。
・6合目~7合目
木々の背丈がどんどん低くなり、風除けとなるものがなくなることで体感温度も急激に低下。
動いている時はいいものの、時々立ち止まって休憩するとすぐに体が冷えてきます。
そんな中、30分ほど歩くと山小屋の明かりが見えてきたので 「もう7合目か、意外と早いなぁ」 と喜んでいると、そこは 「本6合目」 (笑)。
富士山には 「本」 やら 「元祖」 やら、色々な 「××合目」 があるので油断できません。(^^;
このあたりで標高は既に3000m。次第にゆっくりと歩いていても息切れがするようになってきます。
時間帯も深夜になり、時々襲ってくる眠気もかなり辛いです。。。
休憩を繰り返しながら、1時間20分ほどかけて7合目に到着。
早かったはずのペースが、いつの間にか予定より遅れ気味になってました。
ここまで来ると、山頂に向かって続く山小屋の明かりがはっきり見えて、「まだあんなに登らなきゃならんのか……」 とちょっと心が折れそうになります。
・7合目~8合目
本6合目を過ぎたあたりから休憩の回数が多くなって気になっていた先輩の様子が、7合目を過ぎると明らかにおかしくなってきました。
歩いている時は足元が覚束なく、休憩するときも座り込むどころか半分寝そうな状態です。
あまりにも危なっかしいので、本7合目の山小屋が見えてきたところで先輩には休憩していてもらい、先に山小屋まで行って酸素の缶を購入。
戻ろうとしたところで何とか自力で登ってきた先輩に缶を渡し、山小屋のベンチで酸素吸入してもらいました。
(ちなみに、酸素吸入は半分気休めみたいなもので、高山病の状態が劇的に改善することは無いようです)
しばらく休んで様子を見ましたが、山頂まではまだだいぶ距離があり、今の先輩の状態ではこのまま進むのは無理とのこと。
幸い山小屋にはまだ空きがあったので、先輩には休んでいてもらい、ここから先は僕一人で登ることにしました。
・8合目~9合目
先輩ほどではないものの、8合目を超えると僕も酸素不足による頭痛が強くなってきました。
(後から調べて知りましたが、高山病による頭痛にはバファリンを飲むのが良いようです)
少し歩いては立ち止まって息を整えることを繰り返しながら、下山道と共用のため砂地で歩きにくい登山道をとぼとぼと登ります。
須走口の登山道は人が少なくて一人で登るのは心細いですが、本8合目まで来ると河口湖口から登ってきた登山客と合流して急に人の数が多くなります。
この頃には東の空が白み始め、山頂に向かって連なる登山者の列が見えてきました。
もう山頂は目の前……なのに、本当に苦しいのはここからです。(^^;
ご来光は山頂で迎えるのが理想的なのでしょうが、体力と残り時間を考えるとさすがに無理。
そうしているうちに、8合5勺の山小屋に向かう途中で日の出の時刻を迎えたので、ここでご来光を待つことにしました。
登り始め曇っていたので天候が心配だったのですが、高層と低層の雲の間の水平線は晴れていて、幸運にも綺麗な日の出を見ることができました。(^^
ご来光に感動している間にも、汗が冷えてどんどん寒くなっていきます。(^^;
あまり余韻に浸る余裕もなく、最後の関門に向かって登り始めました。
まさに頂上決戦(笑)。
・9合目~頂上
9合目の鳥居の付近から頂上に向けては、かなり険しい岩場の道が続いています。
狭い登山道に多くの登山者が集まって混雑していているので、高山病の頭痛と、朝になって再び襲ってきた眠気で意識朦朧となりながらも、前の人が1歩進んだら自分も1歩進むという感じでなんとか頂上にたどり着きました!
登頂を果たしたとはいえ、高山病のせいで相変わらず余裕が無い僕。
頂上の山小屋で絵葉書を買って相方宛てに送ると、地上から運んできた魚肉ソーセージを食べて一息ついただけでさっさと下山することにしました。
・下山
ガイドブック等では下山に要する時間がかなり短めに掲載されていますが、登頂後疲労した足腰ではそんなハイペースで下山できません。(^^;
砂走りの下山道は通常よりも足腰に優しいのでしょうが、それでもかなりきついです。
一度は完全にグロッキーになって下山道の脇で寝てしまったりなどしたせいもあり、7時頃に下山開始して5合目に着いたのは11時10分頃。
パンフレットによると下山に要する標準時間は2時間40分となっているので、1時間半も余計にかかりました。
ご来光には感動したけど、富士登山自体はほぼ 「苦行」 でした(笑)。
また登りたいか……と言われると結構微妙ですね。(^^;
これから登る人は、せめて装備はしっかり整えて少しでも快適に登れるようにするのが良いですよ。
そうそう。
ちなみに途中で分かれた先輩は、朝まで山小屋で寝ていたところ体調が回復したということで、僕の後から登頂を果たしたそうです。
とはいえ、午前中のうちに下山した僕が雨に濡れずに済んだの対して、先輩は山頂で雹に降られるわ、下山中に雷に襲われるはで散々な目に遭ったそうです。(^^;
(当日、実際に雷に打たれて亡くなった方がいたくらいひどい嵐でした)
誘ってくれた先輩のおかげで富士登山を達成できて僕はとても楽しかったのですが、二日間を通じて先輩はホントついていませんでした……。(^^;
投稿者 yone : 2008年8月 9日 23:44