« 2012年1月のコミックス | メイン | 2012年2月のコミックス »
2012年1月17日 (火)
■ もう一つの “脱獄”
先日、上京した時を含めると11年で5回目となる引っ越しをしました。
今まであまり気にしなかったけど、たぶん転居の頻度は高いほうではないでしょうか。
一人暮らしをしていた頃には、すでにISPごとのサービスの違いはほとんどなくなっていたので、僕は特定のISPに依存するのではなく、引っ越し等の環境の変化に合わせてより有利なサービスに乗り換えていけるようにしたいと考えていました。
そんなとき一番制約となるのが、ISPの変更に伴ってメールアドレスが変わってしまうことでした。
引っ越すたびに、各所に登録したメールアドレスを変更する手間がいいかげん嫌になった僕は、2004年に安価なレンタルサーバを契約し、メールとWebサーバの機能をプロバイダから独立させことにしました。
ISPのメールサービスは使わないので、ISPを乗り換えてもメールアドレスは変わらず、移行の手間は事務手続きと工事だけで済みます。
おかげで、その後の2回の引っ越しでISPを変更したときは非常に手続きが楽でした。
そんなわけで、PCの世界はISP(正確にはドメイン)に対する独立性を高めたわけですが、もう10年以上も使い続けているPHSのメールアドレスは、キャリアを変える予定がなかったこともあり、まったく意識していませんでした。
しかし、今回iPhoneを購入したことにより、携帯電話のアドレスも決して普遍ではないことを意識させられることになりました。
ナンバーポータビリティによって電話番号の制約が取り払われた今、メールアドレスもキャリアに制約されたくないというのは自然な流れではないでしょうか。
そんなわけで調べてみると、iPhoneからGmailのサービスを使うことによって、Fromに好きなアドレスを指定できることがわかりました。
あとはレンタルサーバにモバイル用のアドレスを追加して、Gmail宛に自動転送してやればOK!
なのですが、一つ問題が見つかりました。
Gmailはメールのプッシュ配信に対応していないため、そのままではリアルタイムにメールを受け取ることができないのです。
正確には、iPhoneでExchangeサーバとして設定を行うことでプッシュ配信は実現できるのですが、そうすると今度はFromが自由に設定できないために、今回の要件を満たせなくなってしまいます。
受信はExchange経由で、メールを書くときはGmail経由とアカウントを使い分けるのは面倒なので、なにかいい方法はないものかと頭を抱えてしまいました。
ググってみたところ、プッシュ配信を実現する方法と、Gmailでアドレスを自由に設定する方法、それぞれについての情報はすぐ見つかったのですが、両者を同時に実現する方法が見つかりません。
仕方ないので、iPhoneのメール受信の仕組みを詳しく調べてみたところ、興味深い情報を目にしました。
SoftBankのiPhone用アドレス(i.softbank.jp)にメールが届くとすぐに着信通知が届くのですが、これは通常のEメールのプッシュ配信とは違い、SMSを使って通知を飛ばしているそうなのです。
言われてみると、確かにSoftBankのメール設定には受信方法(プッシュ・フェッチ)を選択する項目が見当たりません。
もともと、GmailとSoftBankのアドレス両方にメールを転送することで、リアルタイムの着信通知も、自由なアドレスの利用も可能ではありました。
ただしこの方法には、常にメールが2通届いてうざったいという欠点があります。
上記の情報を目にして僕が思いついたのは、「SoftBankの着信通知がEメールのプロトコルから独立して実装されているなら、iPhoneのSoftBankのメールアカウントを停止してしまっても、着信通知だけは届くのでは?」 というアイディアでした。
実際の環境で試してみると、予想通りにうまくいきました。
SoftBankのアカウントを停止しても着信通知が問題なく届くし、メールアプリは唯一有効になっているGmailのアカウントに対して受信しにいってくれます。
メールの配送経路はこんな感じでちょっと複雑ですが、iPhone上ではこれらの仕組みをほとんど意識せずに使うことができます。
また、この方法を使うとメールのプッシュ受信をオフにしつつリアルタイム受信が実現できるので、バッテリの消費を抑える効果も期待できるかもしれません。
この方法の欠点は、SoftBankのメールボックスを停止してしまうので、i.softbank.jpへ届いたメールが読めなくなること。
(着信通知は届くが、メールアプリで更新をかけてもそのメールは表示されない)
i.softbank.jpのアドレスを人に教えていなければ、このアドレスに直接届くのはSoftBankからの広告くらいなのであまり気にする必要はないと思いますが、場合によっては重要なメールを見落とす可能性もあるので、留意した方がよいかもしれません。
そのほか、「ダイアログ」通知をオンにした状態で、大量のメールが溜まったSoftBankのアカウントを有効にすると、次々にダイアログが表示されてしばらくiPhoneがまともに使えなくなったりも
。
携帯メールは受信ドメイン制限をしている人も多いだろうから、運用上はいろいろ課題がありそうですが、これでキャリアの束縛からだいぶ自由になれそうです。
そう思ったら嬉しくなって、勢いで独自ドメインまでとってしまいました(笑)。
これでレンタルサーバ事業者のドメインからも独立したので、アドレスに関してはかなり自由になれたのではないでしょうか。
ま、サービスのレベルでは相変わらずAppleやGoogleに束縛されているわけですが、それはまた別の話 。(^_^;
投稿者 yone : 2012年1月17日 14:50